はじめに
Windows 上で Visual Studio を利用して ONScripter の 64bit 版をビルドする方法について説明します。Visual Studio 2019 で動作確認をしていますが、他のバージョンの Visual Studio でもビルドできると思います。
関連ライブラリのビルド
必要な関連ライブラリをまとめた以下のファイルをダウンロードして適当な場所(たとえば c:\src 以下)に展開してください。Git の内容をクローンしても構いません。
リリース日 | 関連ライブラリ |
---|---|
最新版 | https://github.com/ogapee/onscripter_win |
20230825 | onscripter_win 20230825 PlatformToolset を v142 (Visual Studio 2019) に変更しました。 |
以下のライブラリが含まれています。
- SDL 1.2.15
- SDL_image 1.2.12
- SDL_mixer 1.2.12
- SDL_ttf 2.0.11
- smpeg-debian-0.4.5+cvs20030824-8
- bzip2 1.0.6
- Lua 5.1.5
- freetype 2.10.1
- libjpeg 9c
- libpng 1.6.37
- zlib 1.2.11
- libogg 1.3.4
- libvorbis 1.3.6
Visual Studio で c:\src\onscripter_win-xxxxxxxx\ONScripter_win.sln を開き、構成を Release、ソリューションを x64 に変更し、「ビルド」→「ソリューションのビルド」を選択してビルドしてください(xxxxxxxx にはバージョン番号が入ります)。上記のライブラリが静的リンクライブラリとしてビルドされます。
ライブラリの元のソースファイルから以下の箇所を変更しています。
- onscripter_win-xxxxxxxx\SDL_ttf-2.0.11\SDL_ttf.c の1750行目を以下の赤字のように修正しました。
for ( row = 0; row < glyph->pixmap.rows; ++row ) {
- libjpeg の memory manager は jmemnobs.c を使用しました。
ONScripter のビルド
- ONScripter のページから最新の ONScripter をダウンロードして、上の関連ライブラリを展開した onscripter_win-xxxxxxxx の下に展開します。
Windows 10 バージョン 1803 以降では、コマンドプロンプトを起動して以下のように入力すれば展開できます(yyyyyyyy にはバージョン番号が入ります)。cd c:\src\onscripter_win-xxxxxxxx tar -xzf onscripter-yyyyyyyy.tar.gz
- Visual Studio で c:\src\onscripter_win-xxxxxxxx\onscripter-yyyyyyyy\ONScripter.sln を開きます。
- 構成を Release、ソリューションを x64 に変更します。
- 「ビルド」→「ソリューションのビルド」を選択してビルドします。
ONScripter の実行
Visual Studio の IDE から実行する場合
Visual Studio の IDE から実行するには、以下のようにしてください。
- 「デバッグ」→「ONScripter のプロパティ」→「構成プロパティ」→「デバッグ」→「コマンド引数」に -r オプションでゲームデータの場所を指定してください。必要に応じて他のオプションも設定してください。
- 「デバッグ」→「デバッグの開始」で ONScripter を実行します。
実行ファイルを直接実行する場合
実行ファイルは以下の場所に生成されます。適切にオプションを指定して実行してください。
c:\src\onscripter_win-xxxxxxxx\onscripter-yyyyyyyy\x64\Release\ONScripter.exe